長期優良住宅は本当に長持ちするのか
長期優良住宅はどれぐらい長持ちする家か
長期優良住宅は75年~90年と言われています。
基準の一つである劣化対策等級3の説明では、3世代の家族が住み続けることができる住宅とあります。
1世代が住む期間を20年~30年と考え、3世代で75年~90年となるわけです。
でも、本当でしょうか。
長期優良住宅は、熊本地震で倒壊しています。
順を追って説明します。
欧米との比較
少し前まで、日本の家は40年弱で壊されている、というのはご存知でしょうか。
日本、米国、英国の比較
日本の住宅寿命は米国や英国と比較して大幅に短いです。
中古市場が小さい
日本は住宅の中古市場が小さいです。
なぜか。
理由は、これまでの日本の住宅寿命です。
寿命が40年では、中古で買っても長く住めないのだから、当たり前ですよね。
長く住める家を建てて、中古市場も活性化して、多くの人がマイホームに住めるようにしよう。
と思うのは自然の流れでした。
日本で長持ちする家は難しい
しかし、そこで立ちはだかったのが、日本の自然環境です。
地震
日本は地震大国です。
たとえば50年以上、家がもつようにするためには、何百回という地震にも耐えられる作りでないといけません。
長持ちする家には、高い耐震性能が要求されます。
湿気
日本の特に湿度が高い地域です。
住宅にとって湿気は天敵です。
湿気は木材や断熱材を腐らせてしまう可能性があります。
家の構造として、湿気を逃す工夫がされていないといけません。
長い年月をかけて、維持するためにはそのメンテナンスも必要になるでしょう。
台風
日本には毎年、たくさんの台風がやってきます。
そのうち、いくつかは甚大な被害をもたらすこともあります。
強い雨、強い風に対しても、対策が必要です。
シロアリ
家の大事な柱を食べちゃうのがシロアリの恐ろしいところです。
日本各地どこでも生息しています。
シロアリ対策も必須です。
長期優良住宅の本質
日本で長持ちする家をつくるのが大変なのは、ご理解いただけたと思います。
今回、私が伝えたかった内容はこれです。
長期優良住宅の認定制度は最近始まったばかり
長期優良住宅が始まったのは2009年です。
今から10年ちょっと前です。
つまり、長期優良住宅が本当に長持ちするか、誰も確かめられていないのです。
75年もつかどうか、それは75年後でないと確かめようがありません。
長期優良住宅に関しては、全く実績が伴っていない、そういう認定だということです。
「現時点で考えられる範囲で長持ちしそうな家はこんな感じかな〜」な認定なのです。
2016年の熊本地震で長期優良住宅は倒壊している
これが現実です。
長期優良住宅の認定を受けていても、壊れるときは壊れます。
日本の自然環境は厳しいのです。
長期優良住宅の本質
「現時点で考えられる範囲で長持ちしそうな家はこんな感じかな〜」な認定です。
長期優良住宅の認定を受けた家が長持ちすることは誰も確認できていません。
実際、熊本地震で倒壊していますし。
そんな制度です。
じゃあ、どうすれば良いか
長期優良住宅の認定は取得するべきか
長期優良住宅の認定を取得すると、税金の面で得をします。
そこにメリットを感じれば、取得した方が良いでしょう。
個人的には、それだけかなと思います。
家づくりの勉強をするしかない
日本には地震以外にもたくさんの自然の脅威が潜んでいることは説明しました。
その1つ1つの脅威に対して、どんな対策を取るべきか、調べるしかありません。
現時点では、残念ながら、人によって言うことが違います。
自分で情報を取捨選択し、良い家づくりに繋げていくしかありませんね。