Azure の基礎 その8 AIサービス
前回「Azure の基礎 その7 ネットワーク」の続きです。
今回はラーニングパス「ニーズに最適な AI サービスを選択する」の概要を書いていきたいと思います。
そもそも AI とは
AI サービスにどんなものがあるのかを理解する前に、AI、機械学習、ディープ ラーニング、ニューラル ネットワーク、トレーニングといったワードの意味を整理しておく必要があります。
AI-SCHOLAR さんの解説が非常にわかりやすかったのでリンクを掲載させていただきます。
AI とは
AI-SCHOLAR さんの解説をそのまま引用させていただきます。
AIとは、データから特徴を分析し、経験則的に高い精度で予測・分類を行うことができるプログラム機能と言った表現が合っているかと思います。
例えば、チェスの世界チャンピオンに勝ったAIは、大量の作戦を覚えて実験することで ”有利になる確率が最も高い一手を予測・選択”しています。また、顔を自動的に認識するAIであれば、データに変換された様々な人の顔画像を、学習することで「人間の顔」がどういったものかという傾向から分類することで判断しています。
すなわち、AI技術は色々なことに「活用」することができますが、AIそのものだけでできることは多くなく、まだまだ人間に使われている1つのツールとさほど変わらないのが現状です。
AI、機械学習、ディープラーニング (深層学習)
それぞれの言葉の関係性について書かれた概念図がこちらです。
そして、機械学習、ディープラーニング (深層学習)の違いは何ぞや、ということになりますが、こういうことだそうです。
◾︎機械学習
機械学習とは、”AIを「データから特徴を分析し、経験則的に高い精度で予測・分類を行うことができるプログラム機能」とした時、その計算を自動的に行うシステム” を指すというとわかりやすいかもしれません。
◾︎ディープラーニング (深層学習)
機械学習は、大量のデータから規則性や関連性を見つけ出し、判断や予測を行う手法です。そのためには、「色」や「形」のように着目すべき特徴(パラメータ)を人間が指定する必要があります。 ディープラーニング(深層学習)は、その機械学習に新たなメカニズムを追加した、機械学習の中の一分野を指すと言えばわかりやすいかもしれません。
人間の脳神経回路をモデルにした多層構造アルゴリズム「ディープニューラルネットワーク」を用い、特徴量の設定や組み合わせをAI(人工知能)自ら考えて決定します。
Azure AI Service
Azure の AI Service は3つあり、それぞれが特定の対象ユーザーおよびユース ケース向けに設計されています。
Azure Machine Learning
モデルをトレーニングおよびテストして、将来の結果を最も正確に予測するモデルを見つけられるようにするツールおよびサービスから構成されています。
つまり、これからモデルを作るデータサイエンティスト向けのサービスです。データ前処理、データパイプライン、トレーニング結果の評価、スコアリング、そういったものを Web API エンドポイントを経由してリアルタイムで使用できます。
Azure Cognitive Services
事前に構築された機械学習モデルが用意されており、これにより、アプリケーションで見る、聞く、話す、理解する、さらには推論を開始することが可能になります。
つまり、Azure が用意してくれたモデルを利用して、すぐにアプリが作れるサービスです。
言語、音声、視覚、決定といったモデルのカテゴリが用意されています。
Azure Bot Service
人間と同様に質問を理解して返答する仮想エージェントを作成するためのプラットフォームです。
このサービスでは、人間とインテリジェントにコミュニケーションを取ることができる仮想エージェントを作成します。
バックグラウンドで、ビルドするボットは Azure Cognitive Services などの他の Azure サービスを使用して、相手である人間が何を求めているかを理解します。
最後に
この程度の理解でよろしいでしょうか。
社内のデータを使って自分でモデルを作るなら「Azure Machine Learning」を選択する。
特定のデータを解析したいときに、自分でモデルを作るのは大変なので、Azure 提供のモデルを利用するなら「Azure Cognitive Services」を選択する。
チャッボットを作りたいなら「Azure Bot Service」を選択する。