大手ハウスメーカーは気密性能で劣る
主要ハウスメーカーの年間建築棟数ランキング
ランキング
このランキングをよく覚えておいてください。
主要ハウスメーカー以外が80%
ここで大切なことを述べておきます。
2022年の注文住宅・分譲住宅の着工数は40万件程度となっています。
上記で記載した大手ハウスメーカーで約20%(8万件)を占める計算です。
つまり、約80%の人は小〜中規模のハウスメーカーや地元の工務店で家を建てているということです。
大手ハウスメーカーの気密性能
気密性能を担保していない会社
公式ホームページの中で「C値」「気密試験」などを検索してみてください。
漏れなく、情報がありません。
ホームページで気密性能の仕様を公開していない以上、完成時に保証はしてくれません。
ランキング上位のこれらの大手ハウスメーカーは気密性能で劣ります。
気密性能を担保している会社
これらの会社はホームページで気密性能C値を保証しています。
いずれの企業も売り上げを伸ばしてきています。
年間建築棟数ランキング上位のメーカーは気密性能を公開していない
これで、お分かりいただけましたでしょうか。
ランキング上位のハウスメーカーで2社(一条工務店とセキスイハイム)を除いて、全てのハウスメーカーがC値を公開していません。
ここから分かることを2点あります。
一条工務店が首位である理由、性能を求める消費者は多い
一条工務店のキャッチフレーズは「家は性能」です。
全館床暖房で気密性能も0.5を目指すくらいに高いものです。
やはり、性能を重視する多くの人に選ばれています。
年間建築棟数ランキング上位にC値を約束しているハウスメーカーが少ない
確かに、一条工務店は1位です。
この勢いはしばらく続くでしょう。
実際、私の地元でも一条工務店の着工は順番待ちになっているほどに人気です。
しかしながら、年間建築棟数ランキング上位にC値を約束しているハウスメーカーが少ないです。
一条工務店とセキスイハイムを除く全ての会社がC値を公表していません。
それは、なぜか。
ハウスメーカー選びの要素として性能(C値を含む)を重要視していない層が一定数いるということです。
家づくりの勉強をしている人からしたら衝撃ですね(笑)
大手ハウスメーカーの考え方
性能を重視する消費者が増えていることは把握している
当然、大手ハウスメーカーの経営陣はこの状況を把握しています。
それでも、動きません、というより、動けないと言うのが正しいでしょう。
大企業ゆえに、簡単に方針転換できないのです。
気密性能は現場の施工技術によるところが大きいです。
大きい企業であればあるほど、気密施工を全て現場に徹底させるためには時間とお金を必要とします。
先細りの注文住宅業界と経営戦略
NRIの調査によると、新設住宅着工戸数は現在の減少傾向が維持され、2040年度には約55万戸(2022年度比約36%減)にまで落ち込む見通しです。
加えて、住宅建設技能者数も減少を続け、2040年には約51万人(2020年比約37%減)となる見通しであり、住宅市場は需要の減少と供給力不足が同時に進行する状態となります。
こういった状況の中で生存戦略を考えています。
つまり、成長市場でない領域に大規模な資本を投入しようとは、投資家が認めてくれないのです。
それよりは、利益率の高い建売とか、海外進出に注力した方が良くない?となるわけです。
消費者がもっと賢くなれば変わらざるを得ない
現在の消費者は高性能な家の暮らしを知らない人が多いです。
新聞・テレビなどで高性能な家の暮らしというものがクローズアップされることも少ないです。
なぜなら、その新聞・テレビに広告を出しているのは、C値を公表していない大手ハウスメーカーだからです。
世の中ってそういうものですよね。
ただ、高性能な家の暮らしの良さというものは足元でじわじわ広がっていくでしょう。
現状、大手ハウスメーカーは昨年比で受注件数を維持できています。
それが全てです。
複数期にわたって売り上げが落ち込み、かつ、その原因が「家の性能が低いことにある」となって初めて動きを見せるのでしょう。
私はそう遠くない話だと思っています。